試験の目的
脆性マトリックスを有する積層体、例えばエポキシ樹脂製の積層体の層間せん断強度は通常ショートビームせん断試験(SBS)を使用して測定されます。曲げ試験では常にせん断応力が発生するという事実を利用しています。試験片の厚さに比べてスパンが小さいと、曲げモーメントによって発生する垂直応力と比較して発生するせん断応力が非常に大きくなります。このようにして、脆性マトリックス材料にせん断応力を発生させることができ、それによってせん断強度を測定することができます。
マトリックス材料のせん断強度または繊維 - マトリックス結合のクオリティーは、破断の種類に応じて特徴付けることが可能となります。
ショート ビームせん断試験は、ASTM D2344、EN 2563、EN ISO 14130 などのさまざまな規格に従って実行できます。公称試験片形状の試験片長さ、試験片幅、およびサポート スパンは、試験片の厚さとの関係で定義され、定義された比率は、それぞれの規格内で異なります。圧縮ダイとサポートの直径の仕様も、それぞれの場合で異なります。
この試験方法は比較的簡単に実施可能で、 正しいアラインメント 及び ダイの正確な芯出し機能を持つツールが必要となります。このため、このメソッドは品質管理によく使用され、材料の比較に適しています。
ただし、圧縮応力のピークは通常上部アンビルの近くで発生し、測定結果に影響を与える可能性があるため、この方法では面内せん断特性のみが決定されます。