ASTM F1820準拠の試験の種類
ASTM F1820には、ライナーと寛骨臼シェル間の接続部の機械的安定性を評価するための複数の試験方法が含まれています。
軸方向分解(押し出し)試験:
- ライナーをシェルから軸方向に取り外すために必要な最大力を測定し、その値を求めます。
- 軸方向に作用するパンチが、ライナーが解放されるまで一定速度(例:10~50 mm/分)でライナーを押し込みます。
- ライナーとシェル間の固定部の基本的な機械的安定性を示します。
トルクアウト分解試験:
- シェル内のライナーのねじり強度を試験します。
- トルク印加装置により、シェルを固定したまま、ライナーに規定のねじり荷重を加えます。
- 実際の関節における回転運動によって生じる荷重をシミュレートし、ねじりに対する耐性に関する情報を提供します。
オフセットプルアウトまたはレバーアウト分解試験:
- 非対称荷重をシミュレートし、エッジフォース下での接続部の挙動を試験します。
- パンチはライナーの中央ではなく、規定の角度で押し付けます。
- 生体内で発生する可能性のある現実的な動作シーケンスと誤荷重をシミュレートします。
動的試験:
- 繰り返し荷重サイクルによる長期安定性の評価。
- 寛骨臼シェルは、数千から数百万回の荷重サイクルにわたって交番荷重にさらされます。
- 現実的な連続荷重下における接続部の耐久性について結論を導き出すことができます。
ASTM F1820 要件
ASTM F1820 は、次のような試験機の特定の要件を定義しています。
- 高精度な力測定:試験機は最大試験力の±1%以上の精度を有する必要があります。
- 均一で軸方向に揃った力の適用:現実的な荷重を確保するため、荷重は完全に中心にかけられる必要があります。
- 調整可能な荷重速度:試験速度は10 mm/分から50 mm/分の間で調整可能でなければなりません。
- 堅牢な保持装置:特別に開発されたクランプ装置により、寛骨臼シェルを再現性のある方法で固定する必要があります。
- 破壊メカニズムの記録:試験機は、最大押し出し力に加えて、変形と破壊メカニズムも記録できる必要があります。
- 自動データ取得:試験機は、関連するすべての試験パラメータを正確かつ継続的に記録できる必要があります。
- 再現性:試験機は、比較試験を信頼性の高い方法で実施するために、結果の一貫した再現性を確保する必要があります。
ツビックローエルの ASTM F1820に準拠した試験
ツビックローエルは、ASTM F1820 要件を満たすように特別に開発された試験ソリューションを提供しています。最も重要な利点:
- 高精度測定システム:最大限の精度で解体力を検出します。
- 柔軟な試験実行:様々なインプラント設計に合わせてカスタマイズ可能なモジュール式の試験セットアップ。
- testXpert試験ソフトウェア:ユーザーフレンドリーな制御と包括的なデータ評価。
- 個別カスタマイズ:お客様固有の要件に合わせて、専用の保持装置と試験構成を開発します。
- 長年の経験:ツビックローエルは、材料試験技術の世界的リーディングサプライヤーであり、医療技術分野のお客様を最高のサポートとアプリケーションに最適化されたソリューションでサポートしています。
ツビックローエルの試験機を使用することで、股関節インプラントが最高の品質基準を満たし、規制要件を満たしていることを保証できます。