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ASTM D638:プラスチックの引張特性

ASTM D638に準拠したプラスチックの引張試験は、引張応力、歪み、引張弾性率、引張強度、降伏点引張強度、破断点引張強度などの重要な機械的特性を決定するのに役立ちます。 ASTM D638の規格は対応する ISO 527-1とISO 527-2とは同じではありません。 これらの規格は、試験片の形状や寸法、試験結果の定義、試験手順自体など、多くの点で異なります。 ASTM D638は引張特性の実践的な測定を記載しているのに対して、ISO 527規格の指針となる原則は、研究所、企業、および国境を越えた試験結果の高いレベル再現性です。

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ASTM D638に準拠した引張試験の目的と特性値

ASTM D638規格のプラスチックの引張特性値では、成形品またはコンポーネントの規定された領域から切出された試験片の重要な機械的特性が決定されます。

典型的な特性値は:

  • 引張応力:試験片の初期の断面積に関連した力
  • ひずみ:原標点距離を基準にした標点距離の変化
  • 引張弾性率:応力-ひずみ図の曲線の勾配
  • 降伏点:勾配がゼロの曲線プロットポイントでの応力とひずみ
  • 破断点:試験片破断時の応力とひずみ
  • ポアソン比:軸ひずみに対する横ひずみの負の比

ASTM D638 試験片タイプと寸法

ASTM D638に準拠した試験に使用される試験片はタイプによって分類されます:

  • ASTM D638 Type I - 推奨される試験片はダンベルタイプIで、厚さ3.2 mm(1/8インチ)、ゲージ長50 mm(2インチ)で、一般的なコンポーネント材料の厚さと比較的類似しており、同時に 良好なレベルのひずみ測定精度に最適です。
  • ASTM D638 Type II - タイプIの試験片を使用することにより、試験片の平行部に破断が発生しない場合、ASTM D638は、平行部幅が大幅に狭くされたタイプIIの試験片の使用を推奨しています。
  • ASTM D638 Type III - 材料の厚さが7 mmを超える試験片が機械加工によって得られる場合は、試験片タイプ III が使用されます。 ここでは、狭い平行セクションの幅、ショルダー幅、および全長が増加するため、試験片の厚さは幅よりも小さくなります。 板厚14mm以上は機械加工にて板厚調整を行います。
  • ASTM D638 Type IV - 試験片タイプIVは、非常に柔らかいポリマー(ゴムなど)の試験に理想的であり、柔らかいポリマーとより硬いポリマーを比較する時に使用されます。
  • ASTM D638 Type V - 使用できる材料の量が少ない場合、またはコンポーネントから切出しても大きな試験片が使用できない場合は、タイプVの試験片が使用され、これは、タイプIに比べてすべての寸法が小さくなっています。

L0標線間距離
L チャック間距離
l1 狭い平行部の長さ/内径
l2掴み部間距離
l3 全長 / 外径
b2 肩部の試験片幅
b1標線エリアの試験片幅
h 試験片の厚さ

ASTM D638 試験片寸法とタイプ
規格 試験片タイプ 注釈: l3
mm
l1
mm
b2
mm
b1
mm
h
mm
L0
mm
L
mm
ASTM D638 Type I 硬質プラスチック用
推奨試験片
≥ 165 57±0.5 19+6.4 13±0.5 3.2±0.4 50±0.25 115±5
ASTM D638 タイプ II Type I が狭い断面で
破損しない場合に推奨
≥ 183 57±0.5 19+6.4 6±0.5 3.2±0.4 50±0.25 135±5
ASTM D638 タイプ III 試験片の厚さが7mmを超える場合(硬質および軟質プラスチック) ≥ 246 57±0.5 29+6.4 19±0.5 7 ... 14 50±0.25 115±5
ASTM D638 タイプ IV 硬質プラスチックと
軟質プラスチックの比較用
≥ 115 33±0.5 19+6.4 6±0.05 3.2±0.4 25±0.13 65±5
ASTM D638 Type V コンポーネントからの小さな試験片 ≥ 63.5 9.53 9.53+3.1 3.18±0.5 3.2±0.4 7.62 25.4±5

 

testXpert試験ソフトウェア使用したASTM D638に準拠した引張り試験の実施:

引張試験は、プラスチックおよびポリマーの機械的試験に関して最も頻繁に実施される試験の1つです。ASTM D638規格に準拠した手続きは、詳細にASTM D638規格に記載されています。ステップバイステップの指示により、すべての規格ページを読む必要がなく、testXpertを使用する際に試験を100%の適合性で簡単に実行できることがわかります。

testXpertでのASTM D638規格に基づく6つのステップ

testXpert試験ソフトウェアはあらゆる試験要求に理想的なソリューションです。 ISO 527-1/ISO 527-2ASTM D638 では、引張試験に関する試験方法が定義されています。これらの規格は技術的に同等ですが、試験片の形状、試験速度、および結果の判定プロセスがいくつかの点で異なっているため、完全に比較可能な結果を提供するわけではありません。ツビックローエルはtestXpertを通じて、ASTM D638の要件を満たすことを保証する事前設定された規格試験プログラムを提供しています。ASTM D638に従って試験を実行するために必要なすべての設定は、すでに構成されています。

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に対する効率的で簡単な試験は、新しい従業員の迅速な導入も保証しています:

  • ASTM D638規格で定義されたすべての特性値とパラメータは、ASTM D638規格試験プログラムにすでに保存されています。規格準拠が保証され、規格の学習にかかる時間を節約できます。
  • ユーザーは試験をガイドに従って実行できます。画面に表示されるタスクは、ユーザー管理機能を通じて特定の責任のみが設定されます。これにより、新しい従業員の迅速な導入が確保されます。すべてのユーザーはASTM D638に従って試験を確実に実行し、どのステップも見落とすことはありません。
  • 周辺デバイスを接続することで、最大の試験効率が実現されます:マイクロメータからの試験片寸法が直接試験ソフトウェアに送信されると、時間を節約し入力エラーを避けることができます。

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ASTM D638に規定されているコンディショニングと常温状態

  • 温度と湿度に関して定義された条件と環境条件を観察することは、試験結果の比較可能性にとって非常に重要です。
  • コンディショニング期間の仕様は、通常、試験対象のプラスチックの材料規格に記載されています。さらに、成形材料の試験に使用される試験片は、試験前に少なくとも16時間規格で決められた雰囲気中(規格化された温度および湿度条件)に保管する必要があります。
  • 試験が標準雰囲気下で実施される場合、これはASTM D618で定義されている通常の気候を指します。
    温度:23±2℃、50±10% r.F.
    亜熱帯の温度:27±2℃、65±10% r.F.
  • クラス2に準拠した公差。クラス1の公差は半分になります。
  • 室温とは通常、18℃から28℃の間のやや広い温度範囲を指します。
  • 高温または低温での試験も可能であり、さまざまな要件を指定できます。

ASTM D638やISO 527-2に準拠した温度環境下での引張試験

恒温槽-80℃~+250℃でのプラスチックの引張試験

ツビックローエルの新しい恒温槽で行うプラスチックの引張試験 温度レンジは-80℃から+250℃(-112°Fから480°F)。 試験システムと完全に統合されており、効率的で信頼性が高く、簡単な操作の引張試験を行う事ができます。 ドア・イン・ドアのソリューションにより、低温での試験中に窒素の消費と氷の形成が大幅に削減されるため、試験をより費用対効果の高い方法で実行できます。

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成形材料の特性評価におけるその他の試験

引張試験 ISO 527
ISO 527 -1, ISO 527 -2, ASTM D638
ISO 527-1, ISO 527-2のプラスチック引張試験では、引張応力、ひずみ、引張弾性率、降伏点、破断点、ポアソン比などの重要な機械的特性が得られます。
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高ひずみ速度での引張試験
ISO/CD 22183, ISO 18872, SAE J 2749
高ひずみ速度での応力-ひずみ曲線の測定は、たとえば自動車の製造における衝突シミュレーションのデータを提供します。
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ASTM D638に関するよくある質問

プラスチックの引張試験の最も一般的なASTM規格はASTM D638です。この規格は、制御、仕様、定性的特性評価、および研究開発の目的で、プラスチック材料の引張特性を決定するために使用されます。この規格では、試験装置、試験片の形状と寸法、および従うべき試験手順について規定されています。ASTM D638により測定される材料特性には、引張強度、伸び、ひずみ値、弾性率、および室温でのポアソン比の決定が含まれています。

詳細については、規格をご参照ください:ASTM D638

プラスチックの引張強度は、基本的にプラスチックの試験片を破断または降伏させるのに必要な応力を測定することによって決定されます。したがって、規格では降伏点と破断抵抗を区別しています。プラスチック材料の特性値は、一般的に研究開発や品質管理の目的で使用されています。プラスチックの引張強度は、引張試験機を使用して決定されます。試験片を破断するまで引張り、その間に重要な値が測定および計算されています。一般的には、これらの試験は規格ASTM D638に従って実施されます。ASTM D638 は、試験対象の試験片の形状と寸法、装置の仕様、試験手順についてその詳細を記載しています。

ASTM D638規格はプラスチックの引張試験について記載しています。引張弾性率、降伏応力、降伏ひずみ、引張強度、破断点ひずみなどの引張特性を測定するために適用されます。これらの特性は、プラスチックとプラスチック化合物の決定と比較、および品質保証の目的にとって重要です。

脆性プラスチックおよび降伏点を示さないプラスチックの場合、破断点ひずみは、機械式または非接触式の伸び計で直接測定されます。降伏点を示すサーモプラスチックの場合、公称破断点ひずみは試験機の引張りグリップの移動量から測定されます。

引張強度は、試験中に試験片が到達する最も大きな応力の事です。この引張強度は降伏点で発生する可能性があり、その場合、降伏点での引張強度と呼ばれます。引張強度が試験片の破断の直前に発生する場合、それは引張破断強度と呼ばれます。

ASTM D882の規格が、厚さ 1 mmまでのプラスチックフィルムおよびシート材料の引張試験に使用されます。 このために、特別な試験片と、フィルムの試験に関する特定の要件に対処する試験方法があります。

GRC や CRC などの長繊維強化プラスチックは、ASTM D3039 に準拠した引張試験で測定されます。これらの材料は、ラミネートまたはファブリックの方向と構造によって、非常に異なった特性値となります。従って、特別な試験片と試験法が利用されます。

ASTM E132 規格がは、室温下でのポアソン比を測定するための試験方法を指定しています。ただし、強化されていないプラスチックの場合、ポアソン比の値はほぼ一定であるため、通常は計算目的で固定値を使用します。

ASTM D618 のメソッド Aが温度調整された試験片の規格となります。ただし、ASTM D638規格では、この規格に沿って低温または高温で試験を実施できるように、コンディショニングおよび測定要件の偏差が許容されています。

ASTM D638規格は、非強化および強化プラスチックの引張強度を含む引張特性値の測定をカバーしています。引張強度に関する、その他一般的な規格では、金属の ASTM E8/ASTM E8M、ゴムとエラストマーの ASTM D412、繊維強化複合材料の ASTM D3039などがあります

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名前 タイプ サイズ ダウンロード
  • 製品情報: スクリューグリップ、Fmax 5 kN/10 kN PDF 485 KB
  • 製品情報:空圧式グリップ、Fmax 10 kN/20 kN PDF 2 MB
  • 業種別パンフレット: プラスチック&ゴム PDF 9 MB
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