
金属薄板の硬さ試験
薄板やコーティング材向け硬さ試験は材料やコーティングの表面硬度測定に行われます。硬さ試験は一義的にはプロダクションプロセスの品質管理に実施されます。コーティングはマイクロメーターの領域のため、硬さ試験メッソドは極微少な押込みで行われています。
微少な押込み、極めて小さな荷重のこの試験は ビッカーズ (DIN EN ISO 6507-1)、ロックウエル (DIN EN ISO 6508-1)、さらにロックウエルスーパーフィシャルスケール、ブリンネル (DIN EN ISO 6506-1)で実施されています。マルテンスに基づく硬さメソッドは薄いコーティングに使用される頻度が高まっています。また高精度の荷重-押込み深さ測定には計装化硬度計が一般的です;IITとして知られる試験方式です。残留押込み深さは試験片厚みの10%を超えてはいけません;超えた場合は、支持台の影響は無視できません。計装された押し込み試験には、小さなへこみやへこみの深さでもより高い精度で測定できるという利点があり、その結果、硬さの値を確実かつ再現性よく決定できます。
薄いシートは、多くの場合、顧客が定義した特定のサイズに切断され、他のものと一緒に溶接されます。 例えば、ローラーシーム溶接プロセス (DIN EN ISO4063) に準拠したシートメタル (テーラードブランク)。溶接シームの品質も、硬さ試験によって試験されます。ビッカーズ、ヌープに基づくマイクロ硬度測定に加え、マルテン方式 (DIN EN ISO 6507-1, DIN EN ISO 4545-1, DIN EN ISO 14577-1) が断面上、溶接継ぎ手の表面、あるいはその付近で実施されます7.これらの試験方式に沿ったインスツルメントを使い、正確なポジショニングの下試験を行います。
延性試験
延性評価試験は薄板にとっては重要な分野です。ディープドローイングやストレッチフォーミングなどの典型的な成形プロセスは確立された試験方法が存在します。ツビックローエルのBUPシートメタル試験機(深絞り試験機)では1000kNまでの容量でこれらの成形性試験を行う事が出来ます。
この重要でしかも複雑な試験の目的は限界絞り曲線の決定にあり、設計者が成形過程で超えてはならない限界応力を導き出すために必要となるデータです。ツビックローエルはこの分野の専門家とパートナーシップを組み、絞りプロセスのひずみの評価を測定するオプティカル測定技術を開発しています。



薄板深絞り試験
この試験は、成形プロセス過程での理想的な潤滑油を決めるためディープドローツールと薄板間の摩擦係数を測定する試験であり、亀裂やしわを防ぎ、最適なディープドロープロセスを評価します。ドロービードのユニットは標準的な試験機に簡単に取り付けられます。
この試験では、 典型的な寸法の薄板試験片(300 mm x 30 mm x 2 mm) 上部試験片グリップでしっかりとクランプし、ドロービードツールを押し付けます。試験片はその後ドロービードツール間を引張られます。この一連のプロセスは自動で何度も繰返し行われます。ドロービードツールのクランプ力はデジタルに制御され、正確で再現性の高い試験を保証します。ツールは他の試験のために簡単に交換可能です。